ここ近年で「うつ病」という症状も世間で定着するようになり、その理由で休職または退職する人も年々増加傾向にあります。
そこで本記事ではうつ病をもつ人の就職や転職、さらに即日退職するための方法について解説します。
目次
うつ病の症状や特徴について
まずは、うつ病の症状や特徴、種類などについて解説します。
うつ病を簡単に一言で説明すると「脳のエネルギーが欠乏した病気」であり、主な症状は「楽しみや喜びを感じられないこと」と「気分が晴れないこと」の2つとなります。
また、普段の健康的な状態であれば楽しめることでも、うつ病にかかると楽しめなくなったり気分が晴れず「憂鬱な気分」が続いてしまう
重症度も設けられており「症状の現れ方」「重症度」「初発か再発か」「病型」の4つに分けられています。
そして、うつ病の特徴的な病名としては「メランコリー型」「非定型」「季節型」「産後」などに分類されています。
うつ病の症状や種類などの詳細は以下の記事で解説しています。
→「うつ病で休職する方法 | 退職までの流れやポイントについて」の記事へ
うつ病をもつ人の就職や転職について
うつ病のをもつ人達の中では就職や転職について考えるものの、自分で一歩踏み切れないというお悩みを抱える人も多いです。
ここでは、うつ病の治療をしながら転職や再就職を考えている人が押さえておくべきポイントを解説しながら、相談できる支援機関も紹介します。
うつ病の人が転職や再就職に向けて押さえるべきポイント
まずは、うつ病の治療をしている人が就職や転職に向けて動き出す前に押さえておくべきポイントについて、まとめてみました。
①焦って決断をしない
②1人で判断をしない
③うつ病の治療は続けていく
④自己分析も行う
⑤新たな働き方も考えてみる
①では「大事な決断を焦って行ないことの大切さ」を表しています。
特に現在就業中の人は「周囲に迷惑をかけている」と考えたり、休職中の場合は「休職期間が長引くと転職に不利なのでは」と考えたりして、それらの焦りや不安感から転職を急いでしまう人も多いです。
しかし、そのような病状や状況の時こそ、まずは一度立ち止まって、大事な決断は症状が落ち着いて実行していくことが大切です。
②では①と同様に「大事な決断を1人でしないことの大切さ」を表しています。
自分の病状や状況で悩まされている時こそ自分1人だけで抱え込まず、今だけでなく今後のことも含めて家族や友人、主治医などに相談してみることが大切です。
また、現代社会ではSNSなどを始めとしたネット関係で色々な情報が溢れ過ぎている時代です。
それらの意見や情報を取り入れ過ぎてしまうことで余計に迷ってしまい、判断をつけられなくなるケースも多いので、その辺にも気をつけましょう。
また、①や②を継続するためには③も欠かしてはいけません。
自分の中では症状の緩和や改善を感じられた場合でも実際には根本的な完治にはつながっておらず、即座に就職活動などを始めたことによるストレスなどが増大したことで更なる悪化を招いてしまう恐れもあります。
そのため、就職活動などが上手くいかずストレスを感じ始めた場合、時には充分な休養を取って心身を休めることや治療を続けながら担当医へ相談することも大切です。
ちなみに、就職や転職活動を進める前には、④も行った上で「自分に合った仕事や環境」を見つけることも大切です。
これまでの自分の仕事や職場環境での経験を振り返ることで、自分がストレスを感じることで「どのようなサインが表れやすいのか?」などについても理解および把握しておきましょう。
また「働きやすさ」は人によって様々であるため、自分に合った働きやすい環境も人によって大きく異なります。
もちろん、自分の理想がすべて叶う職場を見つけることは非常に難しいことで安易ですが、その中でも「譲れない条件」と「譲れる条件」を整理して考えるという⑤の行動も大切です。
例えば、毎日の通勤(満員電車や運転など)に対して強いストレスを感じやすいのであれば、在宅でも働けるリモートワーク等の手段を検討してみるのも良いでしょう。
障害者雇用で働くことも検討してみる
上記の5つとはまた別に「障害者雇用で働く」という選択肢もあります。
「障害者雇用」とは、障害のある人がそれぞれの特性に合わせた働き方ができるように、企業や自治体などが障害をもつ人を雇用することです。
障害のある人が働く機会を得やすくするために
また「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」によって障害のある人が働く機会を得やすくすることも定められています。
さらに、一定数以上の従業員がいる企業や自治体などには一定の割合以上で障害のある人を雇用することや、合理的配慮を提供することも義務づけられています。
このような障害者雇用促進法は、うつ病などの精神疾患をもつ人も、障害者手帳を取得していれば対象となります。
このように障害者雇用では、一般雇用よりも配慮を受けやすくなることもあるため、無理なく働き続けたい人は障害者雇用として働くことを検討してみることも大切です。
ただ、障害者雇用で働く場合には障害や疾患について理解を得やすいというメリットがある一方、求人の選択肢が一般雇用よりも少ないというデメリットも存在しています。
そのため、障害や疾患について職場に開示するかどうかは個人の選択に委ねられています。
なお、障害者雇用で働くためには障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳など)の取得が必要となります。
それでも障害者手帳を取得した場合でも、必ず障害者雇用で働かなければいけないということはありません。
あくまでも自分の雇用態勢における「選択肢が増えるもの」と捉えておくべきでしょう。
うつ病で転職や再就職する時に活用できる支援機関
うつ病をもつ人が転職や再就職を目指すにあたり、支援機関に相談してサポートを受けることも大切です。
うつ病をもつ人が相談できる支援機関は、主に以下の3つとなります。
①ハローワーク
②地域障害者職業センター
③就労移行支援事業所
①では障害者相談窓口(専門援助部門など)があり、障害への専門的な知識のある担当者が求人の紹介を始め、応募書類作成や面接対策などの相談に乗ってくれます。
さらには、就職した後の職場定着まで幅広くサポートを行なってくれます。
そのため、一般求人と障害者求人のどちらが自分に合うのか分からずに悩んでいる人も、まずは障害者相談窓口(専門援助部門など)で相談してみるのも良いでしょう。
②は、障害をもつ人に就職前の準備から就職後に長く働き続けるための支援まで、幅広いサポートを提供している機関です。
「職業相談」で目標達成に向けた課題を整理し、「職業評価」で現状分析をした上で、支援計画(職業リハビリテーション計画)を策定します。
さらに就職した後も、本人と企業の双方が働きやすくなるように一定期間(標準で2~4ヶ月)にわたる「職場適応援助者(ジョブコーチ)」による支援も実施しています。
③は、障害をもちながらも一般企業などへの就職が可能だと見込まれる人が利用できる支援機関です。
そのため、障害者手帳を持っていない状態でも、働くことに相応の障害や困難さがあると認められる場合に利用できるようになれます。
自己分析や就職に向けたスキルの向上を目指し、各事業所ごとに様々ななカリキュラムが用意されている点も大きなポイントです。
うつ病をもつ人が即日退職する方法や注意点とは
会社で働く中でうつ病になってしまった場合には、即日退社も可能です。
その理由とは、うつ病はやむを得ない事由に含まれているため、即日退職が成立するのです。
それでも退職において知っておくべきポイントも複数にわたって存在しています。
うつ病で即日退職するための診断書について
まずは、うつ病で即日退職する際の診断書について解説しますが…
基本的には診断書の提出は必須ではありません。
それでも状況によっては、担当医に作成してもらった診断書を持参しておくことが大きな助けになることもあります。
例えば、あなたがブラック企業に勤めていたり、高圧的な上司から「うつ病の証明がないんだから」という理由をつけられながら、即日退職を認めてもらえない状況に陥らされることもあり得ます。
そのような状況の中で活躍するのが「医師による診断書」です。
うつ病の診断書があるにも関わらず、雇用者を労働させ続けることは労働契約法の「安全配慮義務」に違反していることになり、会社は損害賠償を請求されることになります。
そのため、うつ病の診断書を提出することにより、会社側は即日退職を認めてくれる(または認めざるを得ない)のです。
この辺は正社員だけでなく、パートや派遣社員として働いている人も同様な上、自分がうつ病になった場合はもちろんのこと、家族がそうであったり介護が必要な病気となったりと、やむを得ない状況になった場合でも即日退社が可能となります。
うつ病で退職することのメリットとデメリット
ここでは、即日退職も含めた退職によるメリットとデメリットについて紹介します。
うつ病を理由に行う退職のメリットには、以下の3つが挙げられます。
①精神的に辛い状況から解放される
②復職までの期間は、失業保険や傷病手当のサポートを受けれる
③自分の人生について、ゆっくり考える時間が出来る
①は当たり前のことを言っているように思われがちですが、うつ病の治療や改善には職場を始めとした「自分にとって辛い環境(会社など)から離れること」が大切な第一歩にもなります。
ただ、うつ病などで退職した場合には、回復して再び働き始めまでの時間がかかることに加えて、退職後の生活費などに対する心配も生まれてきます。
そのために②でのことが必要不可欠となり、診断書があれば「特定理由離職者」に該当するため、制限なく失業手当を受け取ることが可能です。
※手当は待機期間の7日後には受給できます。
さらに、うつ病では傷病手当の受け取りも対象にもなっており、複数の条件を満たすことで退職後も受け取ることが可能な点も大きなポイントです。
しかし、失業手当と傷病手当を同時に受給することは不可能とされているため、この辺は支援機関などに相談しながら事前に調べておくことも大切です。
また、③のように退職して全てをリセットした後の時期だからこそ、心身共に回復できます。とはいえ、単に治療や休息だけで終わらせるのではなく、自分の今後(転職や社会復帰など)について、じっくりと考えていかなければならない期間でもあります。
その一方で即日退職などで発生するデメリットもあり、それが主に「復職時に新たな仕事を探す必要があること」です。
うつ病で退職した場合には失業手当等の給付を受けることができますが、その期間にも制限があります。
そのため、心身ともに回復した後(または回復する前まで)に、新しい仕事を見つける必要があります。
ここで復職や転職における注意点としては「同じ失敗を繰り返さないようにすること」が挙げられます。
うつ病の原因には人間関係や労働時間など、複数の原因がありますが、その中でも自分の中で影響が大きかったものを意識しながら就職活動を始めることが大切です。
ここ近年では転職エージェント等のサービス内容に相談も含まれているため、正直に過去の経験を話した上で、心機一転しながら社会復帰をできるようにしていきましょう。
うつ病で退職する際の伝え方
うつ病で退職する際の伝え方も紹介しますが、現代では全部で下記の4つがあります。
①上司に直接申し出て退職届を渡す
②電話で上司に伝える
③メールやLINEで上司に伝える
④退職代行を利用する
①が最も定番かつ一般的な方法であり、これこそが最も円満的に退社しやすい伝え方となります。
それでも、うつ病の状態で出社しながら直接申し出ることは非常に大変な行動であり、精神的にも辛いはずです。
そのため、この方法はまだ体力と精神共に余力がある状態の中で行うべきでしょう。
人によっては上司に退職を伝えるどころか、直接向き合うことすらも厳しい状態にある人も多いはずです。
そこでお勧めできるのが②であり、電話という手段で伝えられる点が大きな魅力です。
それでも礼儀や言葉遣いにおける最低限なマナーは必要であり、話し方によっては「常識がない」や「マナー違反」などと誤解されやすい恐れもあります。
あるいは③のようにメールやLINEという手段を用いて退職を申し出る手段も、ここ近年では少しずつ定着化しています。
電話での通話と違って、リアルタイムで受け答えをする必要がないため、冷静に返すことが出来る点が大きなメリットとなります。
ただ、肝心の相手(上司など)が、自分の送信したメールなどを見逃してしまう可能性もあり得ることも視野に入れておかなければいけません。
ここ近年で新たな方法として誕生したのが④であり、こちらは極限にまで精神的に追い詰められて自分で行動に移すことすら困難な状況でお勧めできる方法です。
「退職代行」というサービス名のとおり、あなたに代わって退職の処理をしてくれます。
必要な情報を伝えて、入金が完了すれば退職に必要な処理全てを、あなたの代わりに作業してくれるため、職場の上司などと話す必要も全くありません。
一見は良いことづくめなサービス内容に見られやすいですが、それ故に支払わなければならない金額も決して安いとは言えません。
そのため、まずは自分が相談した業者に対して、サービスに必要となる金額の確認をしっかりしておくことが大切です。
まとめ
今回は、うつ病をもつ人の就職や転職、さらに即日退職するための方法について解説しました。
即日退職という聞きなれない言葉に戸惑う人も多いと思いますが、あなたが置かれている状態や状況によっては、無理に働き続けるよりも即日退職も視野に入れて環境などを変えてみることも大切です。
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