うつ病

うつで引きこもりの方に勧めたい就職のために必要なコミュニケーション法

うつ病の引きこもりが増加傾向にあるという事は多くの方がご存知だと思います。最近はニュースでも中高年の引きこもりについて取り上げられており、社会現象ともなっていますね。以前でこそ引きこもりは学校でのいじめ等が主な理由で起こりうる若者特有のものだと思われていましたが、近年はむしろ40~60代の引きこもりが問題となっており、更にいわゆる「8050(ハチマルゴーマル)問題」という高齢者家族家族の問題が浮き彫りになっています。

アクセルトライおおたのような就労移行支援事業所でもそういった例に漏れず、就職や復職の相談に来られる方はうつで引きこもりの方が多いです。その中で実際に利用契約をして就職や復職に向けて訓練をするようになってからも、なかなか朝起きれなかったりふとした事で落ち込みがあったりといった事例が相次ぎます。そんな彼らと面談をすると、家族間でうまくいってなかったり、友達と呼べる存在がいなかったりして、「孤独」や「寂しい」といった言葉がよく出てきます。

うつ病だけでなく発達障害(ADHD)や統合失調症をはじめとした精神障害以外にも身体障害者、知的障害者の方はそれぞれが状況は違いながらも共通して社会から孤立してしまっている状況にあるという事が、支援を通してスタッフは体感しました。彼らは誰かに話す事に飢えているのです。

そんな状態だからこそ、アクセルトライおおたでは日々訓練だけでなくイベントを通した利用者同士の交流も重視しています。先日12/7(土)は就職・復職されたOB・OGの方も招いてクリスマス会を実施しました。

こういったイベントを実施する事に対して「これをやったところで就職できるわけじゃない」「就職に関係ない」といった批判もありますが、アクセルトライおおたとしては「就職・復職に大いに関係ある」と回答できます。

イベントを実施する事には、同じ会を円滑に進めるために参加者の協力が求められます。当然どんなイベントにも守らなければならないルールが存在しますし、注意事項として明記されているものもあれば、常識的に守らないと周囲に迷惑がかかるマナーもあります。こういったイベントに参加する事で、楽しみながらも守るべき事はきちんと守るというバランス感覚を養いながら参加者同士でざっくばらんな会話を楽しむ事ができます。

長期に渡って引きこもりをしていた方は、コミュニケーションが大いに欠落してしまっているだけでなく、社会で求められる常識的なマナーや周囲と調和を保つバランス感覚が失われてしまっているので、実はイベント参加は立派な就職・復職に役立つプログラムへの参加と同義なのです。そして、周囲と楽しく会話をする。悩みを相談するだけでなく、他愛のない会話を楽しむ事が精神の向上にも繋がってくるのです。

実際にイベントに積極的に参加している利用者からは「こんなにバカみたいに盛り上がったのは久しぶり」「こういうイベントがなかったら今の自分はもっと暗かったかもしれない」という声を聞きます。イベントへの積極参加はコミュニケーションスキルを磨けるだけでなく、薬に頼らない精神安定剤でもあるのです。

最初は抵抗あるかもしれませんが、少しだけの時間からでもいいので、うつで引きこもりだったからこそイベントには積極的に参加しましょう!