就労支援には、「就労移行支援」「就労継続支援」「就労定着支援」があります。
いずれのサービスにおいても障害のある方が、就労して働き続けることができるように支援サービスを受けられるようになっています。
それぞれに役割や目的は異なりますが、似たような名称であることから、どのような支援サービスなのか、自分にあったサービスはどれなのか分からない方も多いでしょう。
ここではこれらの違いに着目して、どのような人がどのように活用すべきなのかお伝えしていきます。
就労支援とはどんな制度なの?就労支援制度のあゆみ
就労支援は、障害や疾患などの理由によって働くことが困難な人に対して、働き続けることができるように支援する制度のことを言います。
わが国ではかつて「措置制度」が採用されており、障害のある人が福祉サービスを受ける場合には、行政によってサービス内容を決められていました。
しかしノーマライゼーションの理念の中で、従来の措置制度から利用者自身が福祉サービスを選択できる「契約制度」となり、さまざまな支援方法が始まりました。
就労支援においても自身に適した支援サービスを受けることによって、自分の進路を自分で決めることができるシステムになっています。
1976年の障害者雇用促進法の施行によって「就労継続支援(A型・B型)」と呼ばれる福祉サービスが開始され、多くの障害者が職業に就くことができるようになりました。
その後2006年には障害者自立支援法の施行によって「就労移行支援」が始まり、一般企業に就職できる人も増えています。
それら支援サービスによって多くの障害者が仕事のやり方を学ぶことができ、就職に繋げることができるようになったからです。
しかしうまく仕事に定着することができず、早い段階で離職してしまうケースが少なくありませんでした。
そこでその課題に対応するために「就労定着支援」が新たに新設されることになりました。それが2018年のことなのです。
「就労移行支援」と就労継続支援・就労定着支援の違い
「就労移行支援」と就労継続支援・就労定着支援はいずれも障害者が働き続けることができるように支援するサービスです。
それぞれには支援目的が異なっていますので、対象としている方や年齢、利用期間などの違いがみられます。
それではそれぞれの違いについてお伝えしていきましょう。
就労移行支援とは
『就労移行支援』とは、一般企業に就職したいと考えている障害者が、訓練を受けることによって一般企業への就職を目指すというものです。
2006年に施行された「障害者自立支援法」に基づいて開始された就労支援サービスです。
「就労継続支援」との違いが比較されることが多いのですが、継続して働くことを目指しているという点で目的は同じです。
ただ就労移行支援は一般企業の就職を目指して職業訓練を行う場所であって、就労継続支援と比べると就職率が高くなっているのが特徴的です。
企業に就職するために必要な能力やスキルを学ぶことができ、自分自身にあった仕事をさがすことができます。また職場で継続して働くことができるような支援まで一貫して受けることができます。
障害によって自分だけではなかなか仕事が見つけられないという人にとって就職への近道になるものですから、年々利用する人は多くなっています。
就労移行支援を受けることができる対象者は次の通りです。
・原則18歳以上65歳未満の方
・身体障害や知的障害、精神障害、難病のある方
・一般企業などへの就労を希望しており、就労が可能と見込まれる方
原則2年間にわたって支援を受けることができ、就職後には原則6か月の定着支援を受けることも可能です。
就労継続支援とは
『就労継続支援』とは、一般企業への就職が難しい障害者などに対して、支援を受けながら働き続けることができるものです。実際に一般的な就労形態に近い形で働くことができ、収入を得ることも可能です。
「A型」「B型」に分けられていることが特徴で、雇用契約の有無に違いがあります。
A型事業所においては雇用契約を結んで働くことができ、リハビリや訓練を兼ねながら就労します。月額の平均賃金は約70,000円程度となっています。
勤務形態は4時間から8時間程度で、業務内容に多いものにパソコンのデータ入力や部品の加工、カフェのスタッフなどがあります。
就労継続支援A型を受けることができる対象者は次の通りです。
・原則18歳以上65歳未満の方
・身体障害や知的障害、精神障害、難病のある方
・就労経験はあるが働いていない方、就労移行支援などで就職できなかった方
B型事業所においては雇用契約に基づいて働くことが困難な方が、雇用契約を結ばずに働くことができます。月額の平均賃金は約15,000円程度となっています。
業務内容は事業所によっても異なりますが、パンやクッキーなどを作ったり、衣類のクリーニング、部品の加工などが多くなっています。
就労継続支援B型を受けることができる対象者は次の通りです。
・50歳に達している者または障害基礎年金1級受給者
・A型の仕事が難しい方で年齢や体力面で一般企業での就労が難しい方など
A型、B型いずれにおいても、支援期間に制限はありません。
就労定着支援とは
『就労定着支援』とは、2018年からスタートした支援サービスで、障害のある方がいつまでも一般就労ができるように職場への定着を目指したサポートをしています。
就労定着支援は、就労移行支援においても取り組んできたサービス内容です。
しかし近年、一般就労を目指す障害者が増えており、職場においてさまざまな課題があることから、独立したサービスとして取り組まれるようになったのです。
障害がある方が一般企業で働いていると、「仕事のミスが多い」「職場でのコミュニケーションがうまくできない」「すぐに体調を崩して休んでしまう」などといった悩みが現れることが少なくありません。
そのような場合に一人で抱え込んでいても、うまく対処することができないものです。就労定着支援では、障害のある方の職場での問題を解決し、アドバイスをすることで仕事への定着を目指していきます。
就労定着支援を受けることができる対象者は次の通りです。
・就労移行支援や就労継続支援などのサービスを経て一般就労している方
・就労に伴って日常生活や社会生活において課題などが生じている方など
原則3年間にわたって支援を受けることが可能です。
まとめ~大田区で就労支援サービスを受けるなら
障害者に対する就労支援によって、障害者の雇用はどんどん増えています。ただ職場に定着し、働き続けることは簡単なことではありません。
この記事では「就労移行支援」「就労継続支援」「就労定着支援」の違いに着目して、その役割や目的、どのような人が利用できるサービスなのかお伝えしました。
いずれのサービスにおいても障害のある方が、いつまでも働き続けることを目的としていますが、どのサービスが自分に合っているのか理解して利用することが大事です。
就労支援サービスを上手く活用できるように、記事を参考にしてみてくださいね。
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