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統合失調症の人への復職・転職ポイント | 相談できる専門機関も紹介

統合失調症にかかった人の中にも、転職などで社会復帰を目指す人も多くいます。

本記事では統合失調症の症状や種類を紹介しながら、復職や転職に向けて大切なことに加えて、そのような相談を受けられる専門機関についても解説していきます。

統合失調症の症状や種類、経過について

「統合失調症」とは自分の気持ちや考え、行動などを「統合」する力が落ちてしまう精神疾患のことを指します。

症状は幻覚や妄想を始め、感情鈍麻や意欲減退など様々ですが「脳の機能」に原因があること、その原因の1つとして「精神的なストレス」も関係しているのではないかと言われています。

現代の日本では「約100人に1人の割合で発症する病気」とも言われているため、決して珍しい病気ではありません。

統合失調症の症状と種類

まずは統合失調症の症状と種類について紹介します。
大きく分けて「陽性症状 」と「陰性症状 」そして「認知機能障害 」の3種類があります。

陽性症状では被害妄想や幻覚(幻聴/幻視)、思考障害などが挙げられます。
その一方で陰性症状では感覚鈍麻、思考の貧困、意欲の欠如、無為自閉などを引き起こします。
さらに認知機能障害では記憶力の低下や注意および集中力の低下、判断力の低下などがあります。

統合失調症には4種類の経過がある

統合失調症の症状には4種類もの経過もあり「前駆期」と「急性期」「休息期」「回復期」の4つに分けられます。

前駆期の時点では特に目立った症状が見られないものの、日常生活の中で「眠れない」「集中力が保てない」「気性が荒くなる」などの症状が起こります。
その後の急性期で被害妄想や思考障害などの陽性症状が出るため、他人から見ても「変わった行動をしている」と感じられるようになります。

真逆に休息期に入ると陽性症状での行動は減るものの、感覚鈍麻や思考の貧困などの陰性症状が現れ始めます。
最後の回復期では気分が落ち着いて心身ともに安定してきますが、その一方で記憶力や集中力の低下など、認知機能障害による症状が継続しているため、再発しないようしっかりと治療を続けることが大切です。

統合失調症での症状は早期に治療を開始することで病気の回復が早めることが可能なため、症状も軽度で済むと言われています。
そのため、その前兆が起きた場合、または人(家族や同僚など)から指摘などを受けた場合には出来るだけ早く専門医へ相談することが大切です。

統合失調症の人が復職や転職するためのポイントとは

統合失調症にかかったことでやむを得ず退職などで会社や社会から離脱した人も多いことが現状です。

それでも統合失調症を理由に退職した人でも、治療や転職活動などを行うことで社会復帰することは充分に可能と言えます。

統合失調症の人が現職に復職するためのポイント

統合失調症のをもつ人が現職に復職するための前提かつ必要最低限な条件として「主治医からの就労許可が降りている必要」があります。

就労許可の必要性においてはご自身でなく、会社側や上司の立場や視点から考えてみると解りやすくなります。
不可抗力だったとはいえ、統合失調症などを理由に退職および長期の休職をした社員が復帰してくると聞かされた場合、会社や上司の方は「再び症状などが原因で離職されてしまうのでは?」という不安や心配を抱えてしまいます。
それでも、大抵の企業が復職の条件として主治医や専門医による「復職可能の診断書の提出」をしてもらえることで、大きな安心や信頼につながっていくわけです。

しかし、診断書のおかげで復職できた場合でも油断は禁物です。
復職できたと同時に、上司や同僚たちと仕事量や業務内容についてよく相談しておくことも忘れてはいけません。
相談したからと言って、自分の希望全てが通るとも限りませんが、仕事の再開前に相談しておくことにより、以前までの問題点を改善しながら再発症や症状の悪化を防ぐことで、今度こそ復職した会社で長く働き続けられることにもつながっていきます。

統合失調症をもつ人が転職活動で社会復帰するためのポイント

統合失調症をもつ人の中には転職という形で社会復帰を目指す人も大勢います。
その場合、いきなり自分の希望や判断だけで次の会社や仕事を探す(または応募や面接に臨んでしまう)のではなく、まずは「障害者就業・生活支援センター」や「ハローワーク」「リワークセンター」など、転職や就業のサポートを受けられる機関に相談してみることが大切です。

→「統合失調症の人に向いている仕事 | 症状が原因で及ぼす悩みや影響も紹介」の記事へ

統合失調症をもつ人が社会復帰をするために大切なこと

転職でも現職への復帰でも、上司や就労支援機関などに相談するだけでなく、ご自分で意識しながら気をつけて生活していくことも必要です。

ここでは、ご自身で実行可能である社会復帰をするために大切なことを6つに分けて挙げてみます。

①薬を忘れずに飲む、断薬は禁止
②定期的にカウンセリングを受ける
③支援機関への相談
④生活リズムを整える
⑤適度な運動をする
⑥現職での問題点を書き出してみる

こうして挙げてみると6つ全てが当たり前なことと思われるかもしれません。
しかし、統合失調症などの症状にかかると、そのような当たり前と思ってきたことさえも、まともに出来なくなってしまうことも意外と多いのです。

どんなに強く意識しながら取り組んでみても、症状や種類、経過などにより自分だけで実行できない時もあり得ます。
そのような場合には、ご家族を始めとした身近な人にも相談して協力してもらうことも大切です。

統合失調症の人が仕事を探すための就労支援機関を紹介

復職でも転職でも仕事を探す上で相談できる場所が分からずに迷うこともあると思います。

ここでは統合失調症の人にお勧めできる複数の就労支援機関や受けられるサービス等を紹介します。

障害者就業・生活支援センターについて

「障害者就業・生活支援センター」は障害者の就労を進めながら、社会で安定して働けるようにサポートすることを目的として設置されている機関です。

主なサポート内容としては「雇用」や「保険」「福祉」「教育」などの関連機関と連携した上でのサポートを行っています。
そのため、就労だけでなく生活面においても障害をもつ人に対して幅広く悩みの相談に対応してくれます。

しかし、障害者就業・生活支援センターでは就職先の紹介までは行なっていないため、サポートを受ける場合にはその辺に気をつける必要もあります。
それでも就労支援機関との連携や就労移行支援事業などの紹介は行なってくれています。

さらに就労の準備として「職業スキルの確認」や「履歴書作成や面接の対応」などにおけるサポートをしてくれたす。
また、生活の悩みにも対応しており「健康管理のサポート」や障害年金や福祉サービスなど「公的な手続きの相談」にも対応してくれています。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターでは医療関係者と連携を取りながら、精神障害者や事業者に対して「雇用」や「職場復帰」「雇用継続」を目指した支援を行なっています。
また、地域による機関のため、各都道府県に1か所ずつ設置されている点も大きなポイントと言えます。

さらに「職業評価」や「職業準備支援」などによる障害をもつ人に向けたサポートや、地域の障害者支援を行っている機関への支援や人材育成までを行っています。

ハローワーク

ハローワークは求人情報から仕事を探すことに特化した施設であり、就職における相談や履歴書の書き方などを始め、仕事探しを全面的にサポートしてくれます。

また「精神障害者トータルサポーター」という精神保健福祉士や臨床心理士などの国家資格をもつ専門スタッフもいるため、安心して利用することができる点も大きなポイントです。
さらに、障害をもつ人向けに専門的な相談にのってくれる窓口まで設置されているため、障害者枠での雇用を探すことにも役立っています。

そして、実際に求人への応募をする上で「トライアル雇用」も実施している企業の求人も取り扱っている点も大きな強みと言えるでしょう。
トライアル雇用とは、一定期間の試用期間を定めた雇用を通じた後から通常雇用へ移行していく制度を指します。

転職エージェント

転職エージェントには様々な特徴があるため、自分に合ったエージェントを見つけて選ぶことが大切です。

一般求人の転職エージェントは求人数が多いため、様々な仕事から選ぶことができます。
一般求人だけでなく、障害者枠での求人に特化した障害者専門の転職エージェントもありますが、取り扱う職種や求人数などが異なっているため、一箇所に拘らず複数の転職エージェントを利用して仕事を探すのがお勧めです。
また、ハローワークと同じく、無料で利用できる点も大きなポイントとなります。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は仕事に必要なスキルを身に着けながら、就職活動の支援や就職後の定着支援まで行ってくれる機関ですが、基本的には一般企業への就職を目標としています。

1人1人に合った支援計画を立ててくれるため、自分の苦手部分や業務内容を補うことができるプログラムまで組むことが可能です。
サービスの利用は基本的には無料で受けられますが、前年度の所得によっては自己負担額が発生することもあります。

統合失調症の人もリワークセンターの利用者が増えている理由

ここ近年では自身の社会復帰のためにリワークセンターを利用される人も増えており、その中には統合失調症をもつ人達も含まれています。

ここでは、そのリワークセンターで受けられるサポートや、多くの人達から利用される理由について紹介します。

リワークセンターでのサポートや主な手順について

リワークセンターでは、うつ病や適応障害を始めとした精神的な不調や障害を抱える人達が安心して社会復帰できるためのサポートを行なってくれます。

そのサポートにおける内容も主に4つの手順に沿って行われていることが特徴的です。
ここでは、その4つの手順に沿いながら社会復帰を例にとって解説します。

①準備期間
②支援期間
③復職・慣らし勤務期間
④定着期間

まずは①の期間で職員がその人に合った「復職支援プラン」を作成してくれます。
それから②で心と身体を整えながら復職に向けた不安を払拭していきます。
①や②が済んでからは③の中で企業や主治医と調整した上で「慣らし勤務」を開始してくれます。
そこまで実行できた後からは④の期間に入り、定期面談を行いながら、相談者が安心して働ける環境を考えながら用意してくれるという流れです。

リワークセンターが選ばれる8つの理由とは

自身の就職や社会復帰のためにリワークセンター利用者が増えている理由を8つに分けて挙げてみます。

①相談者に合った支援プランの作成
②1人1人に合ったパーソナルプログラム
③3,000以上もの豊富な講座や学習
④企業や主治医と連携した上でのサポート
⑤幅広い年代へのサポート実績
⑥仕事環境を想定した集団プログラム
⑦健康促進プログラム
⑧職員が国家資格所有者のスペシャリスト

ここまで見てお気づきになられた人も多いと思いますが、これら8つの理由が上記の4つの期間と重なっています。
つまり、期間や段階をふまえながら進行させていくことで、1人1人が必要以上に無理することなく、転職や社会復帰へのステップを歩めていることが分かりますね。

ちなみに2024年現在では、リワークセンターを利用した方の92%もの人達が職場への復帰を果たしているという実績も出しています。
そのため、先に紹介した生活支援センターなどに相談しても成果を出せなかったとお悩みの人はリワークセンターをご利用してみることも1つの有効な方法と言えます。

まとめ

今回は統合失調症の転職や社会復帰について解説しました。

仕事を探す時に相談できる機関を分からずに迷うこともあると思います。
それでも統合失調症の人にお勧めできる複数の専門機関や受けられるサポートの違いについても紹介しました。
これらの専門機関に相談しに行く時には自分の現状や目的に合ったサポートを受けられる機関を選ぶことが大切です。

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