現代病とも言われるうつ病。現代社会においてうつ病による休職者は100万人近くにも上ると言われています。この中でうつ病から回復してきたら復職(リワーク)を考える方は多いですが、復職に失敗してしまうという事例が後を絶ちません。ここではなぜ復職に失敗するのか?どうしたら復職に成功して本格的な社会復帰ができるようになるのかをお伝えしていきます。
目次
うつ病休職者の職場復帰(リワーク)は難しい
冒頭でも述べたように「うつ病で休職中だが、しっかり休んで回復したら復職したい。」という休職者は多いです。しかし、その中の8割程はうつ病から回復して復職しても、1年以内にうつ病が再発してまた休職を繰り返してしまうデータがあります。裏を返すとリワークに成功した方は10人に2人程しかいないのです。こう聞くと「リワークって難しいな…。」と思うでしょう。そうです、リワークは難しいのです。
ですが、だからといって諦める必要はありません。大半の方がリワークに失敗する理由は「うつ病、リワークに関する知識に欠けているから」ですので、知識を得る事ができれば自ずと対策も見えてきます。
うつ病休職者の職場復帰(リワーク)はなぜ難しいのか
なぜうつ病休職者の職場復帰(リワーク)は難しいのか考えてみてください。治療のためしばらく社会から離れての生活を行っていたらどうなるでしょうか?決まった時間に起きる必要がなく、ずっと家に引きこもった生活が続いていると生活リズムは乱れ、体力・集中力も落ちます。
それだけでなく仕事内容や仕事に必要なスキルも忘れていってしまいますし、何より症状が治まったとはいえ本当にうつ病は完治したのでしょうか?症状が落ち着いているのは家にいる間だけかもしれませんし、通勤のために電車・バスに乗るとまた動悸が激しくなって通勤どころでなくなってしまうかもしれません。これは復職できる状態になかった休職者側に原因があります。
はたまた企業側の問題かもしれません。休職期間は適切でしょうか?復職にあたって企業側からの配慮はあるでしょうか?いきなり復職後から全く同じ仕事で100%の成果を要求されていませんでしょうか?もしそうであったら、その企業は全くリワーク体制が整っていないかもしれません。企業側が休職者に歩み寄れないようであれば、復職ではなく転職に方向転換する事も視野に入れてみると良いでしょう。
上記からリワークを成功させるためには休職者・企業側双方がしっかりリワーク体制を整える必要があります。
うつ病休職者の職場復帰(リワーク)で心がけるべき3つの要素
復職にあたって以下の3つの要素が非常に重要とされています。
①医師の診断書だけで判断せず、現在の症状を把握する。
医師から「復職可能」と書かれた診断書を渡されたからといってすぐ100%仕事に臨めるでしょうか?上でも述べたように、しばらく社会から離れての生活を行っていると体力・集中力が落ちます。うつ病から回復したといってもうつ病によって低下した能力はそのままですので、今現在自分がどの程度できそうか、再発・悪化に備えてどんな事に気をつけるべきか把握しておく必要があります。
②休職者と企業側でリワークについて綿密に話し合う。
上記で把握した事項を企業側に共有して、スムーズに復職できる方法を面談でチェックしましょう。通院治療が必要な場合の通院頻度や現在の症状においての業務内容が適切かどうか綿密に確認します。診断書と休職者本人との確認だけでは判断できない事項があれば、休職者本人に予め了承をいただいた上で主治医に相談してみるのも手ですし、休職者本人が不安を感じるようであれば、本人と一緒に直接主治医に伺うと良いでしょう。いずれにせよ休職者・企業側とで連携を取って双方歩み寄った復職方法を模索する事が大切です。
③慣らし出勤・リハビリ出勤で体力・集中力を養う。
まずは生活リズムが整っていないと出勤ができる体制にもならないので、会社に間に合うぐらいの起床時間と翌日に疲れを残さない程度の就寝時間をきっちり守っていく必要があります。最初のうちはこれですらなかなか上手くできないのですが、これができない事にはリワークはまず失敗してしまいます。ですので、一定の生活リズムを作るよう身体を慣らしていきましょう。
そして、長期間の引きこもりによって低下した体力・集中力を元に戻すために、あえて家ではなく、近くの図書館やカフェに行って本・新聞を読んで帰るといった習慣を作りましょう。これは通勤して仕事をするための体力・集中力を養うためです。通勤ひとつとっても歩いては人混みの中バス・電車に乗ってというアクションを起こすので、体力的にも精神的にも負荷がかかります。特に人混みの中に入ると急に不安感を覚えたり、動悸が激しくなる症状が現れてしまうかもしれません。その場合には家の近くを散歩するところからで構いません。
パソコン業務をする方であれば、パソコンを使って文字入力〜文書作成の練習をする事で、パソコン業務のリハビリになります。しかし、考えて文書を作るという作業は負担がかかるので、ご自身の体調と相談しながら無理のないペースで始めましょう。
ポイントは『職場と似た環境で練習をする』という事です。
「リワークプログラム」の活用でリワーク成功率がぐっと高まる
「リワークプログラム」というものはご存知でしょうか?これはうつ病をはじめとした精神疾患により休職中の方を対象にした、職場復帰(リワーク)を目指したプログラムです。職場復帰後の仕事、職場環境に適応できるように、生活リズム・心身の状態を整える事を目的としています。リワークプログラムはうつ病治療専門の医療機関やその診療科がある総合病院、他にも地域障害者職業センターや精神保健福祉センターで提供されています。
また、地域・施設によってはによっては障害者の一般就労を支援する「就労移行支援事業所」でも「リワークプログラム」が提供されています。このブログ元である東京都大田区大森の就労移行支援事業所アクセルトライおおたも「リワークプログラム」を実施しています。
アクセルトライおおたではリワークプログラムを通じて、以下の支援をしています。
・生活リズムの改善
・仕事において必要な体力、集中力向上
・自身の病気、体調管理に関する知識向上
・相手に自分の考えを適切に伝える能力の向上
・パソコン、軽作業、専門スキルの向上
・スムーズなりワークができるよう主治医、企業、産業医との連携
この他にも些細な相談事もスタッフに相談できるので、ご自身でリワーク準備をするより遥かに効率よくスムーズに行う事ができますのでおすすめです。もちろん、リワークプログラムを受けるためには通所のために自宅から事業所まで通う必要があるので、まずは通所ができる段階まで回復に努めましょう。それから予めリワークプログラムを受けるにあたって事前に主治医の許可をとっておきましょう。
うつ病休職者のリワーク成功率を高めるためには回復期間だけでなく準備期間が必要です。焦らずじっくりとリワーク準備をはじめていく事が今後も職場とよりよく付き合っていくための秘訣です。
就労移行支援事業所 アクセルトライおおたは大田区大森・蒲田や品川区五反田近辺にお住まいの方はもちろん、目黒区、世田谷区、港区、渋谷区、杉並区をはじめとした東京都23区等にお住まいの方々からのお問い合わせをお待ちしております。
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